乳がんのこと
気になること

乳癌について

胸の大小は乳癌のなりやすさと関係ありますか。
関係はありません。乳房の大きさは乳腺量ではなく脂肪量と相関するため、乳腺組織から発生する乳癌とは関係がないといえます。ただし乳房が大きい人は、自己検診や触診のみの診察では異常がわかりづらく発見が遅れがちになるので、画像検査を含む定期的な検診が大切です。
喫煙は乳癌のなりやすさと関係ありますか。また家族がタバコを吸うのですが、受動喫煙は大丈夫ですか。
喫煙と癌の関連については肺癌が広く知られていますが、乳癌の発症リスクも増加することがわかっています。また、受動喫煙も発症リスクを上げる可能性がありますので、ご自身またはご家族のためにも、健康維持やがんの発症リスクを軽減させる目的で早期からの禁煙を強くおすすめします。
大豆、イソフラボンを積極的にとることで乳癌になるリスクを下げると聞いたのですが、、、
大豆食品や、大豆に含まれるイソフラボンの摂取は乳癌の発症リスクを減少させる可能性があると言われています。ただし、イソフラボンのサプリメントが乳癌発症リスクを低下させたという証拠まではなく、また高用量の摂取による安全性についても証明されていないことから、バランスのとれた食生活の中での適度な摂取が好ましいと考えます。
年齢が若いと進行が速いと聞くのですが・・・。
乳癌はその性質によっていくつかのタイプに分類されていますが、癌の進行スピードもタイプによっても違いがあります。ホルモン療法が効くホルモン陽性乳癌は一般的にゆっくりと進行することが知られており、年齢が若くても進行は遅めです。逆にホルモン療法が効かないホルモン陰性乳癌は、増殖能力が強く高齢者でも進行が早いものがあります。年齢だけでは一概に判断はできません。
祖母や母が乳癌だと乳癌になりやすいですか。
家族に乳癌の方がいると、生活環境や体質が似ているため乳癌になりやすいと言われています。近年の研究では特定の遺伝子(BRCA1,BRCA2など)の変異による遺伝性乳癌の存在もわかってきています。家族歴がある方の乳癌発症リスクは一般よりも高いといわれていますので、早期からのセルフチェックや定期検診をこころがけてください。
ただし、乳癌患者の約8割には家族歴はありません。どなたにでも発症する可能性はあると考え、定期的な検診を受けるようにしてください。

乳癌検診について

マンモグラフィは痛いと聞きますが、、、
乳房を圧迫板である程度の強さではさんで撮影するため、やはり痛みを感じることがあります。ただ、皮膚の伸びやすさや乳房の大きさなどにもより、痛みの感じ方には個人差があります。一般的には月経前の乳房が張っているときには痛みを強く感じる傾向があるので、乳房の張りが落ち着く月経開始から7-10日後あたりに検査を受けることをおすすめします。しかし、しこりなど何か気になる症状がある場合はなるべく早めに受診して下さい。
妊娠中や授乳中でも乳癌検診(マンモグラフィ、乳腺超音波検査)を受けられますか。
マンモグラフィ検査は放射線を使用します。マンモグラフィの検査時のX線の被爆量は、理論上は胎児奇形を引き起こす基準よりはるかに少ないのですが、無用な被爆を避けるためにも、妊娠中は超音波検査をおすすめします。また授乳中は乳腺が発達することにより、マンモグラフィ検査では正確な診断がむずかしい傾向があり、まずは乳腺超音波検査の受検をおすすめしております。

検査について

検診で要精査になったときには追加でどんな検査をするのですか。
検診時のマンモグラフィが1方向のみであれば(豊中市の場合は50歳以上)、もう1方向からの撮影を追加したり、乳腺超音波検査でしこりがあるかの確認の検査をまず行います。さらに必要であればMRI検査や、細胞診または組織診を行うことを検討します。
細胞診と組織診の違いは何ですか?
細胞診は血液検査で使うような細い針をしこりに刺して、直接細胞を吸い取って顕微鏡で調べ、良性か悪性かを推定します。一方、組織診は痛み止めの注射(局所麻酔)を行い、2~4mmの太さの針でしこりの一部を採取して調べます。確定診断にはこの組織診が必要です。
検査の費用は高額ですか?
3割負担の場合、細胞診は約1,400円です。組織診には2通りの方法がありニードルバイオプシー(細めの針)は約4,800円、マンモトーム(太めの針)は約22,000円です。いずれの方法で行うかは、身体的負担と診断の確実性とを検討し説明をさせていただいた上で決めることになります。

手術について

良性のしこりで手術することになりました。日帰りは可能ですか?
局所麻酔でおこなう場合は日帰り手術が可能です。全身麻酔でおこなう場合は通常手術後に1泊入院して翌日の診察後に退院となります。ただし局所麻酔での手術が可能かどうかは、しこりの大きさや全身状態などを考慮し、患者様と相談の上で決定します。
乳癌で手術することになりました。入院期間はどれくらいですか?
手術を受ける医療機関・手術方法・術後の経過・乳房再建の有無によって入院期間には個人差があります。当院では手術前日に入院していただき、乳房温存術(部分切除術)であれば3~7日、乳房切除術(全摘術)であれば1週間前後で退院となります。同時乳房再建を行う場合は、10日から2週間程度の入院期間となります。
術後、どれくらいから日常生活に戻れますか?
基本的には退院時から、家事程度の負荷であれば普段通りの生活に戻れます。
腋窩リンパ節郭清術が必要になった場合、術後に気を付けることはありますか?
術後の傷の突っ張りで腕や肩が動かしにくくなることがあります。当院ではこれの予防のため術後早期からリハビリテーションを開始することにより、ほとんどの方が退院時には日常生活に支障がない程度にまで腕や肩を動かせるようになります。
また、腋窩リンパ節郭清術によってリンパの流れが悪くなると、リンパ浮腫といって腕がむくんできたりすることがあります。この予防のためには、あまり重いものを持たない、けがを予防する、血圧測定や採血も反対の腕で行う、など負担を避けるよう注意が必要です。
手術費用はどれくらいですか?
3割負担の場合の概算になりますが、良性腫瘤の場合で日帰りの局所麻酔下での手術は約1万円、入院を伴う全身麻酔下での手術の場合は約6万円となります。
乳癌の場合は、部分切除術の場合約16万円、乳房切除術(乳腺全摘術)の場合は約20万円、同時に広背筋による乳房再建術を行う場合は約40万円です。
ただし、手術の内容や術後の経過等により個々人で異なるので、詳しくお知りになりたい場合は会計窓口やソーシャルワーカーなどに事前にご相談ください。
術後はどの位、通院が必要ですか?
良性腫瘤の場合は、完全に摘出され創部が治癒すれば治療は終了となります。
乳癌の場合は、ステージやがんのタイプ等にあわせた全身薬物療法が必要で、化学療法をおこなう場合は1~3週毎に約3~6ヶ月間の点滴、分子標的療法をおこなう場合は化学療法と同時に投与する期間を含めて約1年間の点滴、内分泌療法を行う場合は約2~3ヶ月毎の内服処方(場合により注射を併用)を5~10年間行います。また、放射線治療が必要な場合は術後1~数ヶ月後の適した時期に約1ヶ月半の間は1日1回の照射のための通院が必要となります。いずれかの治療が終了しても術後約10年間は少なくとも1年ごとに定期検診を行います。